商業動態調査とは

商業動態調査とは

んにちは、T研究員です。

みなさんは、日本の企業活動(販売)の動向を知りたいと思ったことはないでしょうか?

今回は、経済産業省が行っている「商業動態統計」について紹介します。

■データ概要

経済産業省では、全国の商業を営む事業所及び企業の販売活動などの動向を明らかにすることを目的に、毎月全国の商大規模卸売店、百貨店、スーパー、コンビニ、家電大型専門店、ドラッグストア毎に統計調査を行っています。

また、本統計は、GDP作成にも用いられているデータでもあります。

データ名称商業動態統計
運営主体経済産業省
公表/非公表公表
費用無料
更新頻度毎月
データ項目商品販売額、商品手持額※
※商品手持額とは、販売の目的で保有している手持商品の金額で、原則として仕入原価
対象大規模卸売店、百貨店、スーパー、コンビニ、家電大型専門店
ドラッグストア毎の販売額等が対象(都道府県・品目別)
データ種類標本調査(サンプル調査)
全国の約25,000事業所・企業を対象に調査(その後水準修正※)
※調査結果を経済センサスや商業統計の水準にあうよう修正
URLhttps://www.meti.go.jp/statistics/tyo/syoudou/index.html

■留意点

商業動態統計は、他の統計とは異なり、市場の変化に柔軟に対応するために、頻繁に調査対象が変更されている。そのため、過去の情報と経年比較を行う場合は、その点に留意してデータを使用する必要がある。

○平成27年(2015年)7月
 ・事業所調査ベースの標本抽出方法のみから、企業調査を加味した抽出方法に変更
 ・大型小売店、百貨店・スーパーの商品手持額の品目分類を細分化。 など

○平成29年(2017年)7月
 ・母集団名簿を、経済センサス‐活動調査から商業統計調査に変更。

○令和2年(2020年)3月
 ・母集団名簿を、商業統計調査から経済センサス‐活動調査に変更。
 ・POSデータ等のデータを追加。

○令和3年(2021年)1月
 ・家電大型専門店の商品分類を細分化。 等々

詳細は、下記のHP参照
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/syoudou/gaiyo.html#menu11

■活用事例

「商業動態統計」を用いて卸売業・小売業全体の毎月商品販売額や手持額の動向を把握することができます。

      出典:商業動態統計月報 
      https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/syoudou/result/kakuho_2.html

業種だけではなく、百貨店やコンビニなどの業態毎の動向を把握することができます。

      出典:商業動態統計月報 
      https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/syoudou/result/kakuho_2.html

これらのデータは、業態毎若干の際はありますが、品目毎の状況を把握することもできます。
(百貨店の衣類の売れ行き、スーパーの食料品の売れ行きなど)

      出典:商業動態統計月報 
      https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/syoudou/result/kakuho_2.html

これらのデータは、都道府県単位でも整理をされており、各都道府県の経済状況を把握することもできます。

      出典:商業動態統計月報 
      https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/syoudou/result/kakuho_2.html

■新たな活用の可能性

今回は、月毎の都道府県別品目別の商品販売額・手持額を把握することができる商業動態調査について紹介しました。

本データは、統計データとしては、月別都道府県別と細かく頻繁に公表されているデータであり、標本(サンプル)調査ではありますが、全数調査である経済センサスや商業統計の値を用いて水準修正が行われているため、センサスと同等の精度で全体の経済状況を正確に把握することができるデータと考えます。そのため、景気の判断指標や販売・店舗戦略などに活用できると考えられます。

新たな活用例
・景気の判断指標
・販売・店舗戦略  など。

今後POSデータなどのビッグデータの活用により、本統計が必要なくなる日も早々に来ると考えられます。しかし、POSデータは、全数データではないため、本データと同様に水準修正(拡大)する必要があります。本データは、その水準調整(拡大)のベースデータとしての役割も期待されます。

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