東京商工リサーチ Data Approachとは

東京商工リサーチ Data Approachとは

こんにちは、T研究員です。

みなさんは、企業の経済活動や取引関係等を知りたいと思ったことはないでしょうか?

今回ご紹介するのは、調査会社などが収集する企業・信用データベース、その内の東京商工リサーチが運営するData Approach(企業データファイル)についてです。

■データ概要

「Data Approach」は東京商工リサーチが運営するビッグデータであり、購入することが可能なデータです。Data Approachは東京商工リサーチが行う企業アンケートやヒアリング調査によって収集されたデータであり、おおよそ1年毎に更新されます。

Data Approachは日本の約150万社の情報が記録されている。日本には大企業が1万1,000社、中小企業が380万9,000社(H26経済センサス)あるといわれており、網羅率は半数程度であるが、売り上げなどの金額ベースでは大部分を網羅したデータとなっています。

収録内容は、以下の項目となっており、企業情報の他に近年の経済活動状況や取引関係について把握することができます。

出典:東京商工リサーチ「Data Approach パンフレット」
https://www.tsr-net.co.jp/service/product/data_approach/pdf/data_approach_pamphlet.pdf

■活用事例

Data Approachの活用方法として、企業情報や経済活動・信用性を把握することが挙げられます。また、Data Approachは過去のデータの蓄積もあるデータのため、施策や社会変動による経済活動の変化を業種別・地域別・企業規模などの様々なセクションごとに詳細に分析することが可能です。経済センサスのデータでも同様の分析を行うことは可能ですが、毎年データが更新されるという点がData Approachの大きな違いとなっています。

また、取引情報についても把握が可能なため、施策や社会変動による影響の波及についても分析することが可能です。

出典:独立行政法人経済産業研究所「サプライチェーンの脆弱性:ミクロデータによる大震災ショック波及の検証」
   https://www.rieti.go.jp/jp/columns/a01_0380.html

■新たな活用の可能性

東洋商工リサーチ(同様のデータ扱う帝国データバンク)では、積極的に産学連携を行いデータの新たな活用方法についての研究が行われている。また、一部データは学校・図書館・官公庁に対して割引料金で提供される等(CD・Eyes)、データの活用や利用しやすいデータ、ニーズのあるデータについて常に検討が行われている。

東京大学と東京商工リサーチ、政策形成に関する共同研究契約の締結を発表
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20190917_02.html

帝国データバンク アカデミア
https://www.tdb.co.jp/bigdata/academia.html

今回は、東京商工リサーチが運営するData Approach(企業データファイル)について紹介しました。Data Approachは企業に関して詳細な情報を把握できるデータであるとともに、産学連携を行い常にデータ内容のアップデートを行っていることが特徴のデータです。

日本の統計は、常に同じ項目の調査が行われてきました。これは過去との比較という意味では重要なことかもしれませんが、一方で需要のないことや新たな社会変容を把握できない調査を行っている恐れがあります。また、各企業が収集するビッグデータも何に利用できるかわからずに収集されているデータも多々あります。そういった意味では東京h走行リサーチや帝国データバンクが行ている産学連携などのデータ内容のアップデートは、今後日本がビッグデータを使いこなす土台として非常に重要な取り組みであると考えます。

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