こんにちは、T研究員です。
今回は、新型コロナや回答期間の延期など、何かと話題があった国勢調査の続報についてご紹介します。
上記の通り、何かと話題があった国勢調査ですが、10月20日に回答期限を迎えました。まだ一部の市町村で調査が続けられ(豪雨災害の影響等により延長。例.人吉市はR3年2月20日まで)、また、回答期間が終わった地域でも回答がない世帯への訪問や聞き取り調査が行われていますが、現段階での回答率について整理いたしました。
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■前回調査を上回るインターネット、郵送回答率
何かと不安要素があった今回の第21回国勢調査ですが、インターネット・郵送による回答率は前回のH27年第20回国勢調査の回答率71.0%を9.7ポイント上回る81.3%という結果になりました。現在も一部市町村での延期調査や訪問・聞き取り調査が行われているため、最終的な回答率はもっと高い値になります。
出典:総務省(令和2年10月21日)「令和2年国勢調査調査期間終了のお知らせ」、
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01toukei03_01000092.html
そのため、近年減少傾向にあった国勢調査の回答率が増加に転じ、再び回答率が9割を超えるのではないかと期待されます。
出典:成蹊大学一般研究報告 第49 巻第1 分冊 平成27 年3 月「回収率70%への挑戦─郵送調査でどのように接触を最小化できるのか─」、
http://repository.seikei.ac.jp/dspace/bitstream/10928/862/1/ippankenkyuhoukoku-49-1_1-16.pdf
出典:令和元年7月1日総務省 統計局、https://www.soumu.go.jp/main_content/000631395.pdf
一方で、オートロックマンション等の調査困難地域の増加、ご近所付き合いの減少や新型コロナの影響により、どこまで訪問・聞き取り調査で回答率を上げることができるか予断を許さない状況でもあります。
■10月20日時点の回答状況(参考値)
平成27年国勢調査 世帯数を分母とした場合の割合を示したものです(参考値)。
令和2年国勢調査の世帯数を母数としていないため、あくまで参考値。
(H27年と比較して、世帯数が増えれば見かけ上回答率は高く、世帯数が減れば回答率は低くなっている。)
〇都道府県別のインターネットの回答状況を見ると、おおむね3~4割はインターネットで回答が行われている都道府県が多い。またその内1割はスマホで回答が行われています。
インターネットでの回答率が最も多い県は滋賀県であり、逆に最も低い県は沖縄県となっています。また意外なことに東京都の回答率は下から3番目の値となっています。
※いずれも参考値の結果
出典:国勢調査2020(総務省統計局)「令和2年国勢調査回収状況(10月20日現在)」、
https://www.kokusei2020.go.jp/internet/
〇市区町村の回答率をみると、おおむね8~9割の回答率の市区町村が多く、インターネットでの回答も3~4割の市区町村が最も多い。※いずれも参考値の結果
・全体回答率分布(参考)
平成27年国勢調査 世帯数を分母とした場合の割合を示したものです(参考値)。
出典:国勢調査2020(総務省統計局)「令和2年国勢調査回収状況(10月20日現在)」、
https://www.kokusei2020.go.jp/internet/
・回答率上位自治体(参考)
平成27年国勢調査 世帯数を分母とした場合の割合を示したものです(参考値)。(H27年と比較して、世帯数が増えれば見かけ上回答率は高く、世帯数が減れば回答率は低くなっている。)
出典:国勢調査2020(総務省統計局)「令和2年国勢調査回収状況(10月20日現在)」、
https://www.kokusei2020.go.jp/internet/
・インターネット回答率分布(参考)
平成27年国勢調査 世帯数を分母とした場合の割合を示したものです(参考値)。
出典:国勢調査2020(総務省統計局)「令和2年国勢調査回収状況(10月20日現在)」、
https://www.kokusei2020.go.jp/internet/
・回答率上位自治体(参考)
平成27年国勢調査 世帯数を分母とした場合の割合を示したものです(参考値)。(H27年と比較して、世帯数が増えれば見かけ上回答率は高く、世帯数が減れば回答率は低くなっている。)
出典:国勢調査2020(総務省統計局)「令和2年国勢調査回収状況(10月20日現在)」、
https://www.kokusei2020.go.jp/internet/
今後、正確なそれぞれの自治体の回答率が発表されると思われる。今回の調査ではインターネットの回答率50%を目標に調査が行われたが、それを達成できなかった。そのため、各自治体の回答率の整理の他になぜ達成できなかったか、どのような対策を行えば達成できるか、今後の調査(国勢調査委以外も)のためにも検証を行う必要がある。