こんにちは、T研究員です。
今回は、みなさまのお宅にも届いたであろう「国勢調査」についてご紹介します。国勢調査なんて都道府県・市区町村データだから使いづらい、時代遅れと思われる方もいると思いますが、国勢調査の結果の中にも知られざるビックデータが存在します。
■データ概要
国勢調査のデータ概要は以下のようになっています。特に人口に関して唯一の全数調査によるデータであることが大きな特徴となっています。
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出典:T研究員調べ
国勢調査は、日本に住むすべての人と世帯を対象にした、国の最も重要な基幹統計調査の一つです。その歴史は古く1920年(大正9年)から実施されています。(なんど第一回からの調査結果はすべてe-Statで公表されています。)
調査事項は基本的事項に変更はありませんが、社会の変化や時代の要請により、調査項目が新たに加えられたり削除されたりしています。
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出典:総務省統計局、「国勢調査100年のあゆみ」
https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2020/ayumi/
調査方法も調査員が各世帯に調査票を届け、回答がない場合は再度訪問し回答のお願いを行うなど徹底的に行われてます。
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○調査票
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![](https://datastalab.com/wp-content/uploads/2020/11/c5471d65ad4f674a613394521ffdaa4c.png)
出典:総務省統計局、「国勢調査調査票」
https://www.kokusei2020.go.jp/household/entry.html
○調査項目
調査毎に多少調査内容は異なりますが、以下のような項目について調査が行われてます。
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出典:総務省統計局、「国勢調査の概要」
https://www.kokusei2020.go.jp/about/outline.html
このように集められた結果は、主にe-Statで公表され、誰でも活用できるようになっています。
e-Stat,「国勢調査」 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00200521
■活用事例
活用事例の多くは、行政の施策検討などで利用されるものであり、あまり民間で活用されている事例は見られません(人口推移のグラフ程度) ですが、エリアの動向やポテンシャルを把握することも可能です。
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そして、みなさんはこの国勢調査のデータ、実はメッシュ、しかも5次メッシュ(250m)単位でも公表されいていることをご存じでしょうか。
実は、国勢調査という項目ではなく、地図で見る統計(統計GIS)という項目で、データ項目は限られるものの誰でもデータが活用できるよう公表されています。
e-Stat,「地図で見る統計(統計GIS)」 https://www.e-stat.go.jp/gis/statmap-search?page=1&type=1&toukeiCode=00200521
更に近年では統計データの利活用促進のために「miripo~ミクロデータ利用ポータブルサイト」ですべてではありませんが、ミクロデータやオーダーメイド集計等が提供されており、利用することが可能です。
出典:miripo~ミクロデータ利用ポータブルサイト https://www.e-stat.go.jp/microdata/
![](https://datastalab.com/wp-content/uploads/2020/11/a6b0e9e0c497b1ddede98f257a2bc1a7-1024x1005.png)
■新たな活用の可能性
国勢調査のデータは、前述のとおり、メッシュ単位の細かなデータが一部あるものの多くの情報は市区町村単位であり、また何より5年に一度しか行われないデータとなっており非常に使いづらいデータであることが現状です。 しかし、国勢調査の最も大きな特徴は全数調査であるという点です。そのため、前回のモバイル空間統計等の標本データをより事態にあった結果に近づけるための補正係数等を作成するのに大いに役立ちます。
新たな活用例
- 各種データの捕捉率の確認
- 各種データの補正係数の作成 など。
■まとめ
このように貴重なデータを修している国勢調査ですが、5年に一度の調査であり、そのデータを用いて何かを分析、マーケティングを行うことは非常に困難です。しかし、前述のとおり、全数調査であるためその時々の正確な数値を把握することが可能です。そのため、今後は、様々な方法や定義で収集・作成されるビッグデータの統一的な基準、各データの基準を揃えるための目安としての活用のされ方に変わってくるのではないかと考えます。