んにちは、T研究員です。
2019年から世間をにぎわせた新型コロナウィルスですが、その社会的影響の把握のため様々なビッグデータを活用して検証が行われていることはご存じでしょうか?
今回紹介するのは、国土交通省が整理する「宅配便等取扱個数の調査」です。
■データ概要
国土交通省では、新型コロナウィルスの感染拡大以前より、交通に影響を与える宅配便の取扱個数について調査が行われてきました。本調査は、国土交通省が宅配便運賃又はメール便運賃を届け出ている各事業者に対して貨物の取扱数を任意の報告として求め、その結果を集計したものになります。
データ名称 | 宅配便等取扱個数の調査 |
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運営主体 | 国土交通省 |
公表/非公表 | 公表 |
費用 | 無料 |
更新頻度 | 年度毎 |
データ項目 | 宅配便取扱個数 |
データ種類 | サンプルデータ(ほぼ全数) ※ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便、福山通運、西濃運輸を含む21社 |
URL | https://www.mlit.go.jp/statistics/details/jidosha_list.html |
■活用事例
「宅配便等取扱個数の調査」を用いて日本全国の宅配需要を把握することができます。
直近の令和2年の宅配便取扱個数をみてみると、その個数はなんと48億個もあり、一人が年間38回利用する計算になります。また10年前の平成22年と比較しても約50%増加しており、今や私たちの生活を支える社会インフラともいえるサービスとなっています。
※平成19年度にゆうパック(日本郵便)が対象となるなど、対象サービスが変化しているため、経年比較は注意が必要。
また、宅配便取扱個数の推移をみると、コロナウィルス感染拡大以前より宅配便貨物量は急増していたことがわかります。そして、更にコロナウィルス感染拡大による巣ごもり需要が合わさり、令和2年度の宅配便貨物の取扱個数は前年度比12%増と急激に増加していることがわかります。
出典:国土交通省 宅配便等取扱個数の調査
本データは、宅配便取扱個数の総数だけではなく、大手の宅配事業者各社の取扱個数も確認することができます。
■新たな活用の可能性
今回は、新型コロナ禍の宅配便取扱個数に関する調査を紹介しました。
物流に関する情報はそれ自体が企業戦略に直結するため、なかなか入手することが困難なデータなのですが、本データは行政が先導し各社の保有するデータを統合し公表している面白いデータかと思います。
このデータを用いて、直接何かに活用することは難しいかもしれませんが、今後このデータが地方別や都道府県別になるだけでも活用の幅が広がると考えます。
このように、行政が各企業のデータを統合するような統計が増えていくことを期待します。