新型コロナウィルス 交通への影響③

新型コロナウィルス 交通への影響③

こんにちは、T研究員です。

2019年から世間をにぎわせた新型コロナウィルスですが、その社会的影響の把握のため様々なビッグデータを活用して検証が行われていることはご存じでしょうか?

今回は、新型コロナウィルスの社会的影響の検証に使用されたビッグデータの紹介と、新型コロナウィルス検証以外のデータの活用について紹介したいと思います。

今回紹介するのは、国土交通省が整理する「全国・主要都市圏における高速道路・主要国道の主な区間の交通量増減(平均旅行速度)」のデータのその③です。

■データ概要

国土交通省では、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」に基づく緊急事態宣言が発令された令和2年4月7日以降の旅行速度の情報を収集し、新型コロナウィルスの影響について整理されています。

 

 

■活用事例

「全国・主要都市圏における高速道路・主要国道の主な区間の交通量増減(平均旅行速度)」を用いて日本全国のコロナ禍の旅行速度の変化を把握することができます。

●地域ブロック別の旅行速度の変化

新型コロナウィルスが感染拡大をしても、全国的に全道路の旅行速度はあまり変化しない。

出典:全国ブロック別旅行速度の推移(2020年1月1日~)
   https://www.mlit.go.jp/road/content/001365796.pdf


●観光地別の旅行速度の変化

日本全国の主要観光地周辺の道路の旅行速度の変化をみると、地域ブロック別の旅行速度の変化と同様に、ほとんどの観光地の周辺道路の速度に変化は見られない。

出典:主要観光地 旅行速度モニタリング対象箇所一覧
   https://www.mlit.go.jp/road/content/001427406.pdf

観光地毎にカルテも公表されている。

出典:主要観光地 旅行速度モニタリング対象箇所一覧
   https://www.mlit.go.jp/road/content/001427406.pdf

■新たな活用の可能性

今回は、新型コロナ禍の旅行速度の変化に関するデータを紹介しました。

今回紹介した分析では、旅行速度の変化は見られませんでしたが、このデータは新型コロナに限らず、平時の観光地の動向を把握することに役立てることができます。具体的には、観光地の混雑情報の情報発信やイベント時の影響の効果検証とその対策など様々な活用が考えられます。

新たな活用例
・混雑情報の提供
・イベント時の影響の検証 など

今回は、3回にわたって新型コロナウィルスの交通への影響について紹介しました。

これらの分析は、道路管理者、国土交通省、コンサルタント(分析者)などの様々な人が労力をかけ特別に整理・分析を行ったものです。ただ、こういった分析は、社会動向を把握する指標として、政策検討や経済活動ために非常に重要だと考えます。そのため、こういった分析が平時でも行えるように情報集約から分析までを一元的に行う仕組みの構築が必要だと考えます。

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