断面交通量情報(警察トラカン)とは

断面交通量情報(警察トラカン)とは

こんにちは、T研究員です。

みなさんは、道路の交通量や混雑情報を混雑マップなどではなく定量的に知りたいと思ったことはないでしょうか?

今回ご紹介するのは、(公財)日本道路交通情報センターが運営する「断面交通量情報(警察トラカン)」のデータについてです。

(公財)日本道路交通情報センター,「断面交通量情報」
http://public-data.jartic-raws.durasite.net/opendata.html

■データ概要

「断面交通量情報(警察トラカン)」は、各都道府県警察が管轄する道路(一般道)の渋滞状況等を把握するために、車両感知器などの計測機器で収集した断面交通量に関する情報を(公財)日本道路交通情報センターが取りまとめ提供を行っているデータです。
(前回ご紹介した「NEXCO等が運営する高速道路トラカン」の一般道版であり、無料で活用できるデータです。)

収録されているデータの内容は、「断面交通量」しかございませんが(車種別や速度のデータなし)、日別時間帯別の交通量がわかるデータになっています。

出典:(公財)日本道路交通情報センター,「断面交通量情報」,
http://public-data.jartic-raws.durasite.net/public/typeB_koutsuu_manual.pdf


■活用事例

断面交通量情報」を用いて、時間帯ごとの一般道の交通状況を把握するすることが可能です。首都高速㈱では、過去のデータも活用して道路整備による影響分析に活用されています。また、前回の高速トラカンと同様に、過去のデータと組み合わせることにより、コロナやイベント、事故などの影響についての分析への活用が想定されます。

出典:首都高速株式会社,「事業概要及び事業評価【事後評価】-中央環状品川線-」
https://www.shutoko.co.jp/company/enterprise/road/committee/2019/~/media/pdf/corporate/company/enterprise/road/committee/2019/s_03.pdf

■新たな活用の可能性

今回は、一般道の交通に関するビッグデータを紹介しました。このデータも前回の高速トラカンと同様に特徴は365日24時間常にデータが収集蓄積されている点です。高速トラカンと違い「速度」こそわかりませんが、道路情報(車線数や幅員等)やリンクパフォーマンス関数と組み合わせることにより容易に混雑状況を把握することが可能です。そのため、高速トラカンの時と同様に常時の渋滞などのデータはもちろん大雨などの災害や花火などのイベント時の交通動向の変化も常に蓄積されており、それらの過去のビッグデータを活用することにより、今後起こりうる出来事の影響を事前に把握できる点にあると思います。

また、高速道路とは違い、一般道のデータであるため、データの活用方法については段違いに可能性のあるデータであると考えます。

新たな活用例
・ナビの精度向上
・施設立地計画の活用
・災害時、イベント時の搬送、移動計画の活用  など

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